[ロンドン 2日 ロイター] - 米政府は2日、イラン最大の暗号資産(仮想通貨)取引所「ノビテックス」を制裁対象に指定したと発表した。ノビテックスはイラン政府のほか、制裁指定を受けた国有機関による制裁回避をほう助していたとしている。
ベセント米財務長官は声明で「イランは経済が急速に悪化する中、制裁逃れのほか、資産の国外移転にデジタル資産技術を利用している」と述べた。
これに先立ちロイターは5月1日付の調査報道で、ノビテックスがイラン中央銀行とイスラム革命防衛隊(IRGC)のために数億ドル規模の資金を処理する並行金融システムの中核拠点になっている実態を解明。イラン政府によるインターネット遮断後もノビテックスは業務を継続し、数百万ドル規模の取引を処理していたことも明るみに出した。ロイターの調査によると、ノビテックスはイランで有力なハラジ家出身の兄弟2人が支配しており、2人はイランの新最高指導者と緊密な関係を持っている。
米財務省はこの2人の兄弟のほか、ノビテックスの最高経営責任者(CEO)も制裁対象に指定。声明で、ノビテックスはイラン政府に「重大な支援」を提供し、イラン中銀のほか、イスラム革命防衛隊に関連する「相当数」のデジタル取引を仲介していたとし「米国によるイランに対する軍事攻撃開始後、インターネットが遮断されるの中でもイラン政府の資産を保護し、国外へ移転させ、政府の富を守るのに寄与した」とした。
米財務省の発表について、ノビテックスからコメントは得られていない。
ノビテックスは4月にロイター宛ての電子メールで、政府との直接的な関係も、国家当局を支援した事実も否定していた。