インド政府は、先住民を病気や搾取から守るために島の周囲およそ4.8キロを立ち入り禁止にするなど、北センチネル島への接近を厳しく制限している。このため同島に暮らす先住民の正確な数は分かっていない。

「島で何が起こったのか、センチネル族が何をしたのかを注意深く調べている」とパタックは説明した。「複数の人類学者の協力を得て、どのような善意の意思表示ができるかを検討している」

さらに彼はこう続けた。「先住民側から、彼らの生活に支障をきたすことなく接触する方法が提案されなければ、遺体収容は難しい。彼らと対立するつもりはない」

当局者や人類学者たちは過去に何度か、センチネル族にココナッツやバナナの贈り物を届けて限定的な接触を試みている。センチネル族は贈り物を喜んで受け取ったこともあったものの、それ以上の交流は頑として拒んできた。

デリー大学の教授で人類学者のP.C.ジョシはAP通信に対して、チャウがどのような状況で死亡したのかを知るためには、遺体を収容することが重要だと語った。だが加害者を「訴追することはできず」、また北センチネル島は高温多湿なため、早くしなければ遺体の腐敗が進み、収容も分析も「無益な試み」になるだろうとも指摘した。

(翻訳:森美歩)

ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます