Miho Uranaka
[東京 28日 ロイター] - 野村ホールディングスは28日、2031年3月期の税前利益目標を7500億円超へ引き上げると発表した。従来は5000億円超としていた。自己資本利益率(ROE)の目標も「8─10%プラス」から「10─12%プラス」へ上方修正した。
29日のインベスター・デイを前に関連資料を公表した。
野村HDは、2026年3月期に2期連続の過去最高益を達成し、ROEは10%台に乗せた。奥田健太郎グループCEOは、収益力と業績安定性が想定を上回るスピードで進捗しているとの見解を示した。
リテール営業を担うウェルス・マネジメント(WM)部門や資産運用のインベストメント・マネジメント(IM)部門など安定収益ビジネスの拡大に加え、トレーディングや投資銀行業務を手掛けるホールセール(WS)部門でも収益源の多様化が進み、構造的な収益体質の改善が進展しているという。
今後は、WM部門とバンキング(BK)部門の連携を強化し、預金・ローン・信託を含む包括的な資産管理サービスを拡大する。ビジネスモデルの変革と顧客基盤の拡大を踏まえ、安定収益の基盤となるストック資産について、31年3月期に41兆円を目指す。
さらに、WS部門とIM部門を軸にグローバル戦略を深化させ、成長を加速する方針を示した。
IM部門では、マッコーリーから買収した米欧のパブリック資産運用事業を取り込み、運用資産残高は150兆円規模から180兆円規模に、税前利益も1000億円規模から1500億円規模へ上方修正した。買収による資金流出について、28年3月期までにネットで中立化し、その後は安定的な資金流入基調への回帰を目指す。また、今年度は人材拡充やマーケティング、テクノロジー分野を中心に、追加で5000万ドルを投資するという。
2010年の部門設立以来、過去最高益を更新したWS部門は、高ROE分野へのシフトを進め、税前ROE10%超を目指す。日本と海外の双方で顧客基盤を拡大しつつ、クロスセルや商品多様化を加速する。
構造改革も継続し、新たに5億ドル規模のコスト削減を推進する方針を打ち出した。戦略的人材配置や事業ポートフォリオの見直しを通じて、成長投資と株主還元を両立し、「持続的成長」をより強く意識した経営を進める考えを強調している。