Ann Saphir

[27日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のクック理事は27日、FRBは当面、政策金利を据え置くべきだと考えていると述べた。その上で、関税やイラン戦争、人工知能(AI)関連投資の急増が物価を押し上げているため、必要であれば利上げを行う用意があると語った。

クック氏はスタンフォード大学で開催されたAIに関する政策フォーラムでの講演で、「FRBの二つの責務の双方でリスクが高まっていると認識しており、リスク管理の観点から、現時点では金利を据え置くことが正しい行動だと考えている」と述べた。

その上で、インフレは「明らかに間違った方向に進んでいる」とも指摘。その要因として、関税に加え、2月28日のイラン戦争開戦以来急騰した原油価格、AIデータセンターへの投資加速を受けた半導体やソフトウエアの需要増加、建設労働者の賃金上昇圧力などを挙げた。

利上げをしなくても今後数カ月でインフレ率は緩和するとの見通しを示しながらも、インフレ率が5年間もFRBの目標である2%を上回っていることで、それが価格や賃金決定行動にさらに根強く影響を与えるとの懸念も表明した。「リスクは依然としてインフレ率上昇に傾いている」とし、「インフレ鈍化が適時に実現しない場合は、利上げも辞さない構えだ」と言明した。

一方、労働市場についてクック氏は、企業によるAIの急速な導入が経済成長と生産性を向上させると全体的に楽観視しているものの、雇用増加の前に雇用喪失につながる可能性があり、雇用市場にとって下振れリスクとなる可能性があるとの見方を示した。金利を引き下げなくても労働市場は安定を保つと考えていると述べたが、雇用市場が悪化すれば金利を引き下げる用意があるとした。

クック氏は、先月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を3.50%─3.75%の範囲で据え置くことに賛成票を投じた。

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