Dan Peleschuk
[ハルキウ(ウクライナ) 27日 ロイター] - ウクライナ軍の精鋭部隊を指揮するアンドリー・ビレツキー氏が、対ロシアの戦闘で主導権を奪い和平交渉における優位性を強めるための「転換点」が近いとの見通しを示した。「今後6カ月が極めて重要になる」とも述べた。ロイターのインタビューに応じた。
ロシア軍は疲弊しており、強力な突破能力を失っているとした。ウクライナ軍が今後数カ月、攻勢をかける状態を維持できれば、前線で主導権を握れるとし、ウクライナ東部ドネツク州の未占領地域への割譲要求を断念させることができるとも主張した。ドネツク州の扱いは米国主導の交渉で障害となっている。
ビレツキー氏は、ウクライナ軍による攻撃が、ロシア軍の戦力消耗や現場指揮官の多大な損失につながっているとし、「1年前のような進軍は不可能だ」と主張。ウクライナは中距離攻撃を続け、「慎重に」前進することで、現在の好機を活かすことができると述べた。米実業家イーロン・マスク氏の宇宙開発会社スペースXが運営する衛星通信「スターリンク」使用の規制強化により、ロシアは戦場での通信状況が悪化しているとも指摘した。「今後6─9カ月が転換点になると考える」と述べ、戦略的拠点の確保などの方針を明確にし、強い立場でロシア側と安定的な停戦について話す必要があるとの見方を示した。
ロシアは2022年2月にウクライナへの侵攻を開始し、ウクライナ領のほぼ2割を支配している。戦闘に勝利すると明言するロシアのプーチン大統領は今月、戦闘は終結に近づいているとの見解を示した。一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は先週、26年に約600平方キロの領土を奪還したと述べている。
軍事専門家は、ロシア軍の疲労が目立つ一方、ウクライナは兵力不足が課題とした上で「ウクライナ側が抱える問題が危機的な状況を迎える前に、ロシア軍が疲弊しつくす可能性が高いように思われる」と分析している。