Georgina McCartney
[ヒューストン 26日 ロイター] - 米国の戦略石油備蓄(SPR)から放出された原油がフィリピンに向かっていることが、船舶追跡データで分かった。米国の緊急備蓄原油がアジアに出荷されるのは2022年11月以来。
ケプラーのデータによると、ギリシャ船籍の超大型原油タンカーが5月上旬にテキサス州のブライアンマウンドSPR基地から放出された高硫黄原油61万6000バレルを積み込み、7月上旬にフィリピンのバターンに到着する見通しだ。
フィリピンのガリン・エネルギー相は先月、中東産原油の供給不足を受けてエネルギー調達の多様化を進めており、米国、カナダ、コロンビア、アルゼンチンからの調達のほか、ロシア産海上輸送原油に対する米国の制裁免除措置も視野に入れていると述べていた。
ケプラーによると、フィリピンが米国産原油を受け取るのは20年2月以来。通常はサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、イラクから大部分を調達している。
米国が最後にSPRからアジア向けに原油を供給したのは22年11月。当時、バイデン政権はロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギーショックを緩和するため、SPRから1億8000万バレルを放出していた。
イラン情勢に伴いホルムズ海峡が事実上封鎖され、世界の石油供給に混乱が生じる中、米国は原油価格高騰に対処するためSPRから1億7200万バレルの放出を進めている。
船舶追跡データによると、米国のSPRから放出された石油はすでに北西欧州、地中海、バルカン半島向けにも出荷されている。