Aishwarya Venugopal Mrinalika Roy

[バンガロール 25日 ロイター] - インドに展開するグローバル企業は、人工知能(AI)が業務の在り方を再構築する中で採用活動の選別的姿勢がより鮮明になった結果、高度な技能を持つ人材の争奪戦が激しくなっている。

企業が自社の業務機能や専門能力を集約するため海外に設けるグローバル・ケーパビリティー・センター(GCC)の複数の責任者や多国籍企業の幹部がロイターに語ったところでは、採用活動自体は継続しているものの、技術的な専門知識と適応力を兼ね備えた候補者を探し出すことが一段と難しくなってきた。

マイクロソフトのインドおよび南アジア現地法人のプニート・チャンドク社長は「あらゆる仕事や役割の性質が変わるだろう。最大の課題は、適切なAIスキルを持つ適切な人材を確保することだ」と述べた。

インドのIT業界団体とコンサルティング会社ジノフが今月発表した報告書によると、同国には今年末までに、2021年比で約500件増となる2117件のGCCが設置される見込み。これらは236万人を雇用し、約1000億ドルの収入を生み出すと予想されている。

これまでGCCの成長ペースは、インドの膨大な熟練労働者層と比較的低コストの運営費に大きく依存してきたが、AIと自動化がビジネス運営の中核となるのに伴って、企業はあらゆる業界でより専門化した人材を求めるようになりつつある。

ダイムラー・トラック・イノベーション・センター・インディアの責任者に新たに就任したラダクリシュナン・コダッカル氏は「AIやサイバーセキュリティーの分野では、ニッチな人材に対する大きなニーズがある。適切な人材を見つけるのは難しく、それが結果的にそうした人材の獲得競争を激化させている」とロイターに明かした。

米小売りグループ、カタリスト・ブランズのインド担当マネジングディレクターを務めるニハール・ニディ氏も、適切な人材確保の難しさを強調。「特に高度な能力を求める場合、現時点で市場からそうした人材を取り込むのは容易ではない」と述べた。

企業のグローバルセンター設立・運営を支援するANSRのラリット・アフラ創業者兼最高経営責任者(CEO)は、これら全ての要因がGCCでの採用を減速させていると指摘した上で「企業は念には念を入れて、採用人数を絞っている」と付け加えた。

ニッチな技能への移行は、キャリア初期の採用を根本から覆している。経営幹部らは、AIが定型的なタスクを引き継ぐことで、従来のエントリーレベル(新人・初級職)の役割が縮小する可能性があると話す。

先の報告者に基づくと、雇用主の40%が採用に当たって学位よりも実証可能なAIスキルや資格を優先しており、別の32%はスキル、資格、学位を同等に重視している。

米日用品大手キンバリー・クラークでデジタル業務とクラウド移行担当グローバル責任者を務めるディーナ・ダヤラン氏は「実務経験0年から2年の層は、今後数年でなくなってしまうというのが私の推測だ」と語った。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。