Echo Wang Sabrina Valle

[22日 ロイター] - 米実業家イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業スペースXが公表した新規株式公開(IPO)の申請書類には、IPO後の一般的な保有株売却制限期間が終了する前に、企業業績などに応じて段階的に大部分の再売却を認める計画が盛り込まれている。

この手法は大量の株式が一斉に市場に放出されるのを避けるための設計で、米国で標準的な180日間のロックアップ(売却制限)期間とは一線を画する。通常上場企業の多くは、株価を安定させるために初期投資家による株式売却を制限している。

公開買い付けを専門に扱う法律事務所メイヤー・ブラウンのアリ・ベリー弁護士は「1つの大きなロックアップの崖(一斉解除による急落リスク)が生じないことは、市場にとっておそらく好ましいことだろう」と述べた。

特定の株主は、スペースXの業績が良好であれば、IPO後最初の四半期決算発表以降という早い時期に株式を売却できるようになる。

さらに同社の業績とその株価が好調であれば、制限対象となっている株式の大部分がその後の数カ月間で売却可能となり、残りの株式も6カ月間の期間終了時に全て制限が解除される。

一般的に売却制限は既存の投資家、従業員、大口の機関投資家、または内部情報にアクセスできる人物に適用される。

この申請書類によれば、議決権の85.1%とクラスA株式の経済的利益の12.3%を保有するマスク氏は、自身の株式売却について366日間の制限に同意したという。

1000億ドル超の評価額を持つAI半導体設計企業のセレブラスも段階的な再売却システムを採用している。これは、企業が条件を形成する交渉力を持っていた2020年から21年のIPOブーム時には、より普及していた手法だった。

段階的な制限解除は潜在的な再売却を時間とともに分散させ、IPO後の取引をより秩序あるものにするのに役立つ一方、弁護士らによると、ボラティリティーが特定の1日ではなく6カ月間にわたって広がるという代償も伴う。

ベリー氏は「段階的なアプローチは初期の影響をならしてくれるが、影響を排除するわけではない。単に再分配するだけだ」と指摘した。

計画では、第2・四半期の決算発表直後に、制限対象株式の最大20%の売却が可能。株価が公開価格を少なくとも30%上回って取引されていれば、追加で10%の売却もできる。

その後上場から70日、90日、105日、120日、135日という5つの節目で7%ずつ制限が解除され、第3・四半期決算報告後にさらに28%が解除され、最終的には180日目で全ての株式の売却が認められる。

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