William Schomberg

[ロンドン 22日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が22日発表した4月の公的部門純借入額(財政赤字)は243億ポンド(326億3000万ドル)となり、前年同月を25%上回った。4月としては過去2番目の大きさで、新型コロナウイルスのパンデミック以降で最大の赤字となった。ロイターのエコノミスト調査では赤字は209億ポンドと予想されていた。

キャピタル・エコノミクスの英国担当副チーフエコノミスト、ルース・グレゴリー氏は「今後数四半期にわたって財政が不可避的に悪化する兆候が早くも現れた」と述べた。

4月の政府歳入は前年同月比で2.9%増加した一方、歳出は6.5%増加した。

リーブス財務相は先に、2020年代末までに歳出と税収の均衡を図るという目標を堅持する方針を示した。だが、イラン紛争は税収を圧迫する景気減速のリスクを高めており、22日に別途発表された統計では4月の小売売上高が約1年ぶりの大幅減少を記録した。さらに、紛争は借り入れコストの上昇をもたらしているほか、エネルギー価格高騰から家計や企業を守るためのさらなる公共支出を求める声が強まっている。

同氏は21日、石油・ガス会社からの税収を増やし、一部の支援策の財源に充てる方針を示した。

イラン紛争前に英予算責任局(OBR)が策定した見通しでは、4月からの2026/27年度の公的部門借入額は国内総生産(GDP)比3.6%に縮小すると見込まれていた。しかし、キャピタル・エコノミクスのグレゴリー氏は、エネルギー価格対策や借り入れコストの上昇、経済成長の鈍化が重なり、2027年3月末までの12カ月間で赤字はGDP比4.6%に膨らむ可能性が高いとの見方を示した。同氏は「全体として、英国の財政は脆弱だ。首相が誰であってもそれは変わらない」と述べた。

英国では多くの労働党議員がスターマー首相に辞任を求めており、政治指導者の交代の可能性に投資家は神経をとがらせている。後継の最有力候補であるマンチェスター市長のアンディ・バーナム氏は、リーブス氏が推進する財政規律を堅持すると表明している。

パンテオン・マクロエコノミクスの英国担当チーフエコノミスト、ロブ・ウッド氏は、バーナム氏が首相官邸に入った場合でも、財政規律を維持するために不人気な措置を講じざるを得ないと指摘。「歳出計画の財源として増税すれば、成長を損ない、財政状況をさらに悪化させかねない」と述べた。

ONSによると、25/26年度の借入額は速報値から30億ポンド下方修正された1290億ポンドで、GDP比4.2%だった。24/25年度の同5.2%から改善した。

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