半導体の製造工程、特に材料であるシリコンウエハーに微細な回路を焼き付けたり削ったりする工程では、装置の内部は超高温や強力な薬品にさらされます。一般的な金属部品では、熱で歪んだり、薬品で劣化したりして、ナノメートル単位の超精密な加工が維持できなくなります。
こうした場面で、TOTOのセラミック部品が活用されています。特に、製造装置の内部でシリコンウエハーを静電気の力で傷つけずに固定する「静電チャック」と呼ばれる部品は、高耐久性・高寿命で高い支持を得ています。
事業変革で株価再評価が待たれる
TOTOの半導体事業へのシフトは、直近の最新の業績にも明確に表れています。
4月30日に発表された今期(2027年3月期)の通期業績見通しでは、売上高は前期比6%増、営業利益は12%増と、いずれも過去最高が見込まれています。先端半導体市場の拡大を受け、半導体製造装置向けのセラミック事業をはじめとする新領域が拡大しているのです。
TOTOの株価は、中国の不動産不況による現地事業の停滞などを警戒して、やや慎重な評価にとどまる局面もありました。しかし足元では、データセンターやAIの普及が追い風となる半導体関連としての側面が評価を後押しし始めています。
さらに、アメリカなどでは高級ウォシュレットなどの販売も伸びており、今後、市場での再評価が待たれる銘柄の一つと言えそうです。

[筆者]
佐々木達也(ささき・たつや)/証券アナリスト、金融ライター
金融機関で債券畑を経験後、証券アナリストとして株式の調査に携わる。市場動向や株式を中心としたリサーチやレポート執筆などを業務としている。ファイナンシャルプランナー資格も取得し、現在はライターとしても活動中。株式個別銘柄、市況など個人向けのテーマを中心にわかりやすさを心がけた記事を執筆。
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品や売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終判断は、ご自身の責任で行っていただきますようお願いいたします。本記事の情報を利用して損失・損害が発生した場合、執筆者および編集部、出版社は一切の責任を負いません。