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[オーバーンヒルズ(米ミシガン州) 21日 ロイター] - 欧米自動車大手ステランティスは21日、アントニオ・フィローザ新最高経営責任者(CEO)の下での再建を目指す600億ユーロ(700億ドル)規模の戦略計画を発表した。外部との新たな提携、中核ブランドへの一段の注力、余剰生産能力の収益化推進が盛り込まれている。

この5カ年投資計画で、2030年までに内燃エンジン車、ハイブリッド車、完全電気自動車(EV)の新型モデル計60車種を投入する。フィローザ氏は資本市場説明会で投資家に対し、「この計画は現実に基づいている。収益性が高く持続可能な成長の条件を整えるよう策定されている」と語り、外部との協業に前向きな姿勢を示した。

新たな提携には、中国の浙江零跑科技(リープモーター)や東風汽車との生産提携のほか、インドのタタ・モーターズとの協力、および同社傘下の英ジャガー・ランドローバー(JLR)との米国における共同開発が含まれる。技術面では、米半導体大手クアルコム、自動運転技術を手がけるアプライド・インテュイション、自動運転新興の英ウェイブ(Wayve)などと手を組む。

フィローザ氏は業界最大規模を誇る14ブランドからなるポートフォリオ全体についてより明確な階層構造を打ち出した。ブランド・製品向け投資の約70%は「ジープ」、「ラム」、「プジョー」、「フィアット」に商用車部門「プロ・ワン」を加えた中核ブランドに振り向ける。

「クライスラー」や「アルファロメオ」などその他のブランドは、より地域に特化した位置付けへ再編し、「ランチア」と「DS」はフィアットとシトロエン傘下で専門的な役割へ移行する。製品展開は、販売台数の拡大と収益性の向上を両立させるため、より手頃な価格帯の幅広い車種に重きを置く。

同社はプラットフォーム(車台)、パワートレイン、技術に240億ユーロを投資する一方、28年までに25年比で年間60億ユーロのコスト削減を目指す。27年に本業でのフリーキャッシュフローの黒字化を目指し、30年には60億ユーロに拡大するとともに、20年代末までに調整後営業利益率7%を達成する目標を掲げている。

同社は21日、30年までに北米での売上高を25%増やし、調整後営業利益率8─10%とする見通しを示した。欧州の売上高は15%増、利益率は3─5%を見込んでいる。

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