Takahiko Wada
[東京 22日 ロイター] - 総務省が22日に発表した4月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数、コアCPI)は、前年比1.4%上昇した。伸び率は前月の1.8%上昇から縮小し、2022年3月以来の低水準となった。学校給食や私立高校授業料の無償化、ガソリン補助金といった政府の施策が伸び率鈍化を主導した。市場では、中東情勢を受けて企業が迅速に価格転嫁に動いているとして、先行きのインフレ急加速を警戒する声が出ている。
コアCPIは、ロイターが集計した民間調査機関の予測中央値、前年比1.7%上昇を下回った。
生鮮食品を除く食料は4.1%上昇と、伸び率は前月の5.2%を下回った。伸び率鈍化は9カ月連続。公立小学校で4月から給食の無償化が始まったことで、学校給食(小学校)が98.0%下落した。コメ類は0.6%上昇と22年11月以来の低い伸び。
私立高校授業料の実質無償化で、高等学校授業料(私立)は68.8%下落した。
ガソリンは9.7%下落と、前月の5.4%から下落率が拡大した。ガソリン暫定税率廃止と補助金の再開により、総合指数を0.92%ポイント押し下げた。一方、電気代は2.6%下落、都市ガス代は5.1%下落と前月より下落率が縮小した。政府の補助金減額の影響。
コア対象522品目のうち、上昇は378、下落は113、変わらずが31。上昇品目は前月の381を下回った。総務省によると、中東情勢悪化の影響を受けて受注が止まった影響で、システムキッチンやシステムバスの一部で価格データが収集できていないという。
4月の総合指数は前年比1.4%上昇し、伸び率は前月の1.5%から縮小した。生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)は1.9%上昇と、24年7月以来の2%割れとなった。
<サービス価格、「大きく崩れていない」との声>
サービス価格は0.9%上昇に鈍化し、伸び率は22年12月以来の低さとなった。ただ、サービス価格も制度要因の影響を強く受けているとの指摘が出ている。
UBS証券の栗原剛・次席エコノミストは、高校授業料と小学校給食を除けばサービス価格の伸び率は「大きく崩れているわけではない」と指摘。「サービス」に分類される140品目の上昇率の中央値は2.0%で、上昇品目割合も80%程度だという。
栗原氏は、コアCPI前年比上昇率は4月がおそらくボトムに近く、中東情勢の影響で「これからインフレが加速していく」と予想する。下半期の始まりとなる10月のタイミングで「大きく広く値上げが反映されてくる」とみているが、企業の価格転嫁が「早く、大きく」進む可能性もあり「それよりも前に上振れサプライズがいつ来てもおかしくない」と警戒する。
日銀では、企業物価指数や輸入物価指数の前年比伸び率が急拡大したことなどで、物価上振れへの警戒感が強まっている。小枝淳子審議委員は21日の会見で、現時点では景気後退リスクより物価上昇リスクが大きいとの認識を示し、次回会合までに経済・物価の変化をみて政策判断していく考えを示した。
栗原氏は「日銀は6月利上げの方向で準備を進めているとみている」という。