Tim Barsoe

[ヌーク 21日 ロイター] - 米政府は21日、デンマーク自治領グリーンランドの首都ヌークの領事館を中心部へ移転し、規模を拡大した。グリーンランドの領有を主張するトランプ米大統領に反発する数百人のデモ隊が抗議行動を展開し、グリーンランド政府のニールセン首相らは招待された開設式典をボイコットしたと表明した。

領事館はヌーク郊外の木造建物から、ヌーク中心部のはるかに広いオフィスビルへ移転した。ニールセン氏は地元紙セルミツィアクに対して「原則として決定はしていないが、私は参加しない」と語った。トランプ氏は人口が約5万7000人のグリーンランドを、北極圏でロシアや中国に対抗する上で戦略的に極めて重要だと位置付けている。

グリーンランドの公共放送KNRによると、ハウリー駐デンマーク米大使は開設式典で「あなたがたがどのような未来を選択しようとも、私たちは常に隣人であり、同盟国およびパートナーと支え続ける」と演説した。

デモ隊は赤と白で彩られたグリーンランドの旗や、「米国よ、やめろ」と書いたプラカードを掲げ、「ノーはノーだ」「グリーンランドはグリーンランド人のものだ」とシュプレヒコールを上げた。

米国務省の報道官は、新たな領事館は収容人数が増え、グリーンランドでの米国の外交活動に優れた場を提供するとコメントした。

ホワイトハウスは1月、トランプ氏が米軍の活用も視野に入れてグリーンランドの取得方法を検討していると発表。北大西洋条約機構(NATO)の欧州加盟国の間で警戒感が高まったが、その後は外交ルートの協議に移行している。

グリーンランド政府は18日、米国との重要な協議で進展があっ‌たとした上で、グリーンランドは決して売り物ではないと改めて表明した。

米国は現在、グリーンランドに1カ所の軍事基地を抱えている。1945年には17カ所程度の拠点があった。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。