[ロンドン 21日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は21日、ホルムズ海峡の封鎖状態が続いていることに伴う石油の供給危機に関して「状況に改善が見られない場合、7月もしくは8月には危険水域に突入する可能性がある」と述べた。夏の燃料需要のピーク期に当たることや、中東からの石油輸出不足や在庫減が重なることを要因に挙げた。
エネルギー関連施設の攻撃も加わり、中東からの石油供給は日量1400万バレル以上減少。史上最大の石油供給危機に直面している。
ビロル氏は英王立国際問題研究所(チャタムハウス)における講演で、米イランの交戦前の供給過剰分や、4億バレルの戦略備蓄の協調放出、民間在庫の取り崩しを合わせても、解決には不十分だとし、「最も重要な解決策はホルムズ海峡の完全かつ無条件の開放だ」と指摘した。
加盟32カ国による協調放出は過去最大規模で、日量250万─300万バレル程度のペースで市場に供給されていると説明。ロイターの試算によると、このペースに基づくと当初の4億バレルの放出による供給が終わるのが8月初旬となる。ビロル氏は、必要に応じて一段の放出を調整する用意があると言及した。
ビロル氏は、中東の石油生産や精製能力が交戦前の水準に戻るには長期間が必要だとし「最大の懸念はイラクだ」と指摘した。サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)などは、資金調達や技術力を踏まえ、回復が進みやすいとの見方を示した。
ブレント原油先物は1バレル=108ドル前後で取引されている。交戦中の高値126ドルからは落ち着いているものの、交戦開始前の70ドル程度を大幅に上回って推移している。