(本文中の理事長名の「北村」を「北林」に訂正しました)

Miho Uranaka

[東京 21日 ロイター] - 農林中央金庫は21日、2026年3月期の純利益が1214億円だったと発表した。300億円から700億円としていた予想を大きく上回った。好調な株式市場も追い風に、巨額損失を計上した25年3月期から収益が回復した。一方、トランプ関税や中東情勢を巡る不透明感を背景に、2027年3月期の利益見通しは500億―1000億円程度とする従来予想を据え置いた。

会見した北林太郎(訂正)理事長は決算を振り返り「ポートフォリオの再構築として低利回り資産の売却を進めた効果に加えて稼ぐ力の再評価として収益源の多様化に向けた取り組みを進めてきた結果」だと評価。今期については、中東情勢の緊迫化を契機として世界経済や金融市場の不透明感が増すとして、2月に開示した予想を維持するとした。

長野真樹・最高財務責任者(CFO)は、前年度は相互関税の実体経済への影響が見通しづらい環境だった一方で、株式市場は総じて堅調に推移し、収益面ではこうした追い風を相当程度享受したと説明。今期については「このモメンタムが持続するかを注視する」と述べた。

農中は、金利リスクと非金利リスクのバランスを意識しながら、クレジットや株式を積み上げているが、長野氏によると、現状はなお金利リスクへの偏りが大きいため、引き続きクレジットや株式の比率を高めていくという。株式投資については、基本的に個別株ではなくインデックス投資を中心とすると説明した。

一部で信用リスクが表面化しているクレジット関係については慎重に投資を進めているという。証券化商品やプロジェクトファイナンス、オルタナティブ資産などへの投資を増やしたことで期末残高は25年3月期末の19.4兆円から22.2兆円に増加した。このうちプライベートクレジット関係への投資は3000億円で約1.3%にとどまり、限定的とした。

CLO(ローン担保証券)についても、投資残高が増加しているが、裏付け資産は平均的にBB格からシングルB格となっており、中でも支払い優先順位の高いものを選んでいるという。

25年3月期末に40.3兆円まで減らした市場運用資産の残高は、26年3月期末に45.6兆円となったが、長野氏は、残高の復元はまだ途中との考えを示す。北林氏(訂正)は「一気に進めるというよりも、分散させながら一定程度時間をかけて進めるのが正しいと思っている」とコメントした。

農林中金は25年3月期に、含み損を抱えた債券の売却で損失が拡大し、約1兆8000億円の赤字を計上[。これを受けて、外国債券運用の見直しや国内貸出など非金利資産の拡大を通じて分散投資を進め、運用体制・基盤の強化を図ってきた。

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