10月23日深夜に安田氏解放のニュースを聞いてから、私は2日ほど寝込んだ。直接会ったことのない安田氏と帰国後、SNS上で対話をしたが、拘束者への憎悪の気持ちを語る言葉に、私は悲しみを抱いた。
安田氏は11月2日の記者会見でも、拘束者たちに過酷な扱いをされたことを強調した。その中に含まれるウイグル人組織も、もちろん一枚岩ではない。組織の中にもおそらくさまざまな意見はあっただろう。だが、解放までに尽力してくれたウイグル人がいたことは事実である。
この問題を担当する外務省邦人テロ対策室には実は実質的な決定権はない。他国には存在するインテリジェンス機関も日本には存在しない。だからと言って、人の生死に関わることを「民間ボランティア」にさせるのはあまりに酷だ。
この件に関わったことについて、私は今でもそれがよかったのか、心が揺れている。
<本誌2018年11月13日号掲載>
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