Takahiko Wada

[東京 15日 ロイター] - 日銀は15日に公表したリポートで、中東情勢の影響を受けて燃料・エネルギーコストや石油関連製品の仕入れコストの大幅上昇に直面する企業が「値上げ幅を拡大する計画を示し始めている」と指摘した。近年、値上げを続けてきたことで、値上げを決断するまでの期間が短期化する可能性があるとする企業もあったという。日銀は、今後の中東情勢を巡る展開やその影響次第では「多くの企業が追加的なコスト上昇を受けて値上げを進めていくことが考えられる」とした。

今年1月から4月にかけて、各地域の消費関連企業900社弱を対象に2026年度の価格改定方針などをヒアリングした結果をまとめ、公表した。

リポートによれば、中東情勢が緊迫化する前には、原材料価格の上昇が落ち着いてきたとして25年度対比で値上げ幅の縮小を計画している企業が多かった。しかし、現時点で値上げに踏み切ってはいないものの、中東情勢の影響でコストがどこまで上昇するかなどを見極めた上で「近々、値上げ幅を拡大するかどうかを決定する」との声が聞かれた。具体的な値上げ時期としては、夏場以降とする企業が見られた。

温浴施設などの生活関連サービス業や、樹脂製包装資材の使用が多い食料品の製造業では、原油価格の変動を販売価格に反映させるために「サーチャージ制の導入が必要」との声が聞かれたという。

一方で、小売業の一部からは、競合他社の出方を様子見する必要があるとして、今後商品の仕入れ価格が上昇したとしても「販売価格への転嫁は慎重に進める」との声が聞かれたほか、需要減少への懸念から、「中東情勢の影響による追加的なコスト上昇分まで販売価格に転嫁していくことは難しい」との声もあったという。

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