Rozanna Latiff

[クアラルンプール 15日 ロイター] - マレーシア政府と中央銀行が15日に発表したデータによると、第1・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比5.4%増となり、予想をやや上回った。堅調な内需と強固なファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が、中東紛争に起因する経済的ショックを吸収するのに寄与した。

ロイターがまとめたエコノミスト予想と、政府が先に発表していた速報値はともに5.3%増だった。伸び率は2025年第4・四半期の6.3%からは減速した。

季節調整済みの前期比では0.01%の微減。第4・四半期は1.4%増だった。

統計局と中銀によると、第1・四半期の成長は、堅調な家計支出、安定した投資、輸出の持続的な伸びがけん引した。

中銀のアブドゥル・ラシード総裁は記者会見で「現時点では、中東紛争がマレーシアに与える影響は抑制されている。経済は強固なファンダメンタルズに支えられた力強い状態でこの局面に入った」と説明。ただ、イラン戦争の期間や深刻さに関する不確実性が、成長とインフレの見通しに重くのしかかる可能性があると指摘した。

また、緩やかなインフレと着実な成長を踏まえると、現在の金融政策スタンスは適切だとした。

<AI需要が電子製品輸出を押し上げへ>

同氏は、成長見通しには中東紛争の長期化、コスト上昇、商品生産の予想以上の減少といった下振れリスクがあると指摘した。ただ、人工知能(AI)インフラの世界的な発展がマレーシアの電子製品輸出需要を押し上げるため、影響は一部緩和される見通しだと述べた。

中銀は3月、家計支出や安定した輸出、観光に支えられるとして、26年通年の成長率見通しを従来の4─4.5%から4─5%へ小幅に引き上げた。

25年は、貿易と投資認可がいずれも過去最高を記録、成長率は5.2%と予想を上回った。

アブドゥル・ラシード氏は、緩やかなインフレと安定した成長を踏まえ、現行の金融政策スタンスは適切だと述べた。「金融政策は需要を管理する手段であり、供給側のショックは通常、政策対応を必要としない」と語った。

中銀によると、第1・四半期の総合インフレ率とコアインフレ率はそれぞれ平均1.6%と2.1%だった。26年にインフレ率は小幅に上昇する見込みという。

<26年はインフレ率上昇へ>

アブドゥル・ラシード氏は、燃料補助金など政府支援の効果もあり、5月初め時点で物価上昇圧力は比較的抑制されているものの、26年はインフレ率が小幅上昇する見通しだと述べた。

インフレ見通しには燃料補助金の調整の可能性も織り込んでいると説明した。

バンク・ムアマラート・マレーシアのチーフエコノミスト、モハマド・アフザニザム・アブドゥル・ラシード氏は、前年同期の水準が高いことに加え、事業コストと生活費の上昇を踏まえると、年後半にマレーシアの成長の勢いを維持するのは難しい可能性があるとの見方を示した。

「企業は今年のどこかの時点で追加コストを最終消費者に転嫁したいと考えるかもしれず、それが消費動向を変えることになる」と述べた。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。