Tetsushi Kajimoto
[東京 12日 ロイター] - 総務省が12日に公表した3月の家計調査によると、物価変動を除いた1世帯(2人以上)当たりの実質消費支出は前年比2.9%減少した。食料品や自動車への支出減などで4カ月連続のマイナスとなり、下げ幅は昨年10月以来の大きさだった。一方、中東情勢の混乱を受け、一部商品には買いだめ傾向がみられた。
主な内訳では、酒類・外食など食料が前年比2.9%減少し2カ月連続のマイナス、自動車関連など交通・通信が16.8%減少し4カ月連続の前年割れとなった。
ロイターが集計した調査では、消費支出は前年比1.3%減と予想されていた。
一方、総務省の担当者によるとポリ袋、サランラップ、トイレットペーパーなどへの支出が増え、中東情勢の緊迫化で「買いだめの影響を受けている可能性がある」という。教養娯楽サービスでも外国パック旅行が減少する一方で国内旅行が伸びており、イラン情勢が影響している可能性があると分析している。
2025年度の実質消費支出は前年同期比0.1%増で、わずかながら3年ぶりのプラスとなった。食料品価格が高騰する中で、自動車関連支出やパック旅行がけん引したという。
消費支出に占める食費の割合であるエンゲル係数は、2024年度(28.3%)から伸長して28.8%となり、1980年度(28.9%)以来、45年ぶりの高水準となった。
SMBC日興証券シニアエコノミストの宮前耕也氏は、足元で実質賃金がプラスになるなど前向きな動きが出ているものの、消費の改善は「一時的な動き」になるかもしれないと分析する。
同氏は、家計消費の趨勢は「弱い」とみている。今後夏場に向けて、食料品やエネルギー価格の上振れが生じると、実質賃金のマイナスへの再転換を招き、消費の下押しになりかねない、と注意を促した。