Krishna N. Das Nidhi Verma

[ニューデリー 11日 ロイター] - インドは中東情勢の緊張によってエネルギー供給不足が生じているものの、米国による制裁対象となっているロシア産液化天然ガス(LNG)の販売提案を拒否した。事情に詳しい2人の関係者が明らかにした。このためインドに向かっていたタンカーは行き場を失う状態となっている。

LNGは原油に比べて偽装が難しく、法令順守に関するリスクが大きい。インドとしても、エネルギー確保と米国の制裁違反回避という2つの問題でぎりぎりの判断を迫られている様子がうかがえる。また今回の事態は、ロシアがLNGの輸出先を新たな市場へと転換する能力に限界があることも示した。

関係者の1人の話では、インド側が難色を示したことで、バルト海にあるロシアの制裁対象施設「ポルトバヤ」から出荷されたLNGを積んだタンカーは、4月中旬にインドを目的地としていたにもかかわらず、荷揚げできない状態にある。このタンカーは、貨物がロシア産ではないことを示唆する書類が作成されていたものの、行動を追跡されていたという。

ロイターは4月中旬、LSEGの船舶データに基づき、積載量13万8200立方メートルのタンカー「クンペン」がインド西部のダヘジLNG輸入ターミナルに向かっていると報じていた。LSEGによると、同船は現在シンガポール近海におり、目的地は表示されていない。

関係者は、4月30日にロシアのエネルギー次官がインドを訪れた際、インド側が制裁対象のLNGは購入しない方針を伝えたと述べ、同次官がさらなる協議のため6月にインドを再訪する可能性があるとした。

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