Yoshifumi Takemoto

[東京 11日 ロイター] - 政府が11日開いた経済財政諮問会議で民間議員らは、中東情勢などの影響を注視し経済財政運営に万全を期すべきだとし、日銀に対し「資金需要動向にも配慮した、適切な金融政策の実施を期待」すると提言した。また、財政運営の指標として、一つの指標に依拠するのではなく政府の「総債務」から保有資産を差し引いたネットの「純債務」など、複数の指標を相互補完的に示す必要があると指摘した。

高市早苗首相は会議で「中東情勢の影響を注視しつつ、状況に応じて必要な政策対応を行う」と述べ、提言を今後の財政運営に生かす考えを示した。

諮問会議の民間議員は筒井義信・日本経団連会長と若田部昌澄前日銀副総裁、第一ライフ資産運用経済研究所の永浜利広首席エコノミスト、ディー・エヌ・エーの南場智子会長。

民間議員らは、日本経済の先行きにマイナスとなる中東情勢によるリスクを緩和するため、短期的なサプライショックへの対応として「日銀には、期待を含めた物価変動を注視しつつ、市場における各種の資金需給動向にも配慮した、適切な金融政策の実施を期待」すると提言。加えて、諮問会議としては、政府・日銀の間で「強い経済成長」と「安定的な物価上昇」の両立の実現に向けて政策連携が図られていることの重要性に鑑み、「こうした取組状況について、適宜確認を行う」とした。

財政健全化目標に関しては、市場の信認を確保するためには財政運営の目標だけではなく、財政状況を複数の指標によって継続的に示すことが重要」と指摘。従来から指標とされている「総裁務」は「政府の契約上の債務、借り換え需要、資金調達リスクを把握する上で重要」としつつ、「純債務」についても「政府保有資産を踏まえたネットの財政ポジションを把握する際の補足的な指標となる」と強調した。

基礎的財政収支(PB)、利払い費なども金利上昇への感応度を把握する上で重要だとし、複数の指標を相互補完的に示す必要があり、継続的に指標の示し方を改善していくべきだと指摘した。

その上で、複数指標による財政把握の手法としてSDSA(確率的債務持続可能性分析)の考え方について有効性を検討すべきだと提言した。

会議後に会見した城内実成長戦略相は、「政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げる中でも可能となる財政規模、危機管理・成長投資の別枠管理の新たな投資枠や必要な対策を検討するよう」、高市首相から片山さつき財務相と自身に対し指示があったと明らかにした。

一方、 首相は同日午後の参院決算委員会で、2026年度補正予算を巡って「臨機応変に対応する」と述べていたが、城内氏によると諮問会議では首相からそのような指示はなかったという。

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