小さな隣国さえ制圧できない

インターネット関連の通信規制は、ロシア経済や国民の士気を含め、あらゆる面に甚大な悪影響を及ぼしていると、ソニンは言う。「それでも、指導者自身の安全保障上の懸念が最優先されている」

「プーチンはドナルド・トランプ米大統領やキーア・スターマー英首相、フリードリヒ・メルツ独首相などよりはるかに臆病で、身の安全を気にしている」

ウクライナのドローンは、4月にも国境から約640キロ離れたヤロスラブリ州の大規模製油所を攻撃。5月初旬には、クレムリンから数キロ圏内の高層住宅付近も被害を受けた。

ロジャーズは本誌に対し、「ウクライナの攻撃でロシアの石油インフラが炎上する映像は、戦勝記念には到底ふさわしくない」と述べた。10日の縮小されたパレードは、「ロシア軍が、より小さな隣国を制圧できていない現実を示す強烈なシンボルだ」と語った。

国営世論調査によると、プーチンの支持率は現在71%となっている。国際的には依然高水準だが、厳格に統制されたロシアのメディア環境を踏まえると、昨年12月の80%との落差は大きく、ウクライナ戦争開始以来の最低水準となっている。

ロシア国内の主戦派メディア、テレグラム・チャンネルでも、戦況への不満が高まっている。ロシア軍は甚大な損失を出しながら、わずかな前進にとどまっている。3月にロシア軍が制圧した地域は約21平方キロで、2023年以降で最低水準だった。一方、ウクライナ軍はザポリージャ州を中心に約50平方キロを奪還した。

「プーチンは、この戦争を始めたこと自体が自らの政権とロシアにとって最大の危機を招いた現実と向き合おうとしていない」と、ソニンは指摘する。「数十万人のロシア兵が死亡し、数十万人が国外へ移住した。国民の不満は極めて強い」

主戦派も反プーチンに
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