[ニューヨーク 6日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米国とイランが戦闘停止に向けた協議で合意に至る可能性があるとの観測を背景に、ドルがユーロなどの主要通貨に対して下落した。アジア時間の取引でドルは円に対し急落。日本政府・日銀による為替介入への警戒が続いている。

ニューヨーク市場終盤の取引で、ドル/円は1%安の156.385円。アジア時間の取引でドルは2月24日以来の安値となる155円台まで下落し、為替介入が再び実施されたとの観測が広がっていた。

日本は大型連休の最終日で取引は薄く、日本の財務省のコメントは得られていない。片山さつき財務相は4日、為替相場について「日米で昨年合意された覚書に沿って投機的な動きについては断固とした措置を取る」と述べていた。

ペッパーストーン(ロンドン)のシニア・リサーチ・ストラテジスト、マイケル・ブラウン氏は「公式なコメントはないものの、財務省が再び介入したと考えるべきだ」と指摘。「明確な材料がない中でこれほど大きく動くことは通常はない。『見えざる手』の存在を想定せざるを得ない」と述べた。

米国とイランの協議を巡っては、和平仲介に関与しているパキスタンの情報筋がこの日、両国は戦闘終結に向けた1ページの覚書で合意に近づいていると明らかにした。米ニュースサイトのアクシオスはこれに先立ち、トランプ米政権が、覚書でイランと合意に近づいていると認識していると複数の米当局者や情報筋の話として報じていた。

アクシオスによると、覚書は1ページ、14項目からなり、戦闘の終結、ホルムズ海峡の開放、イランの核計画制限、米制裁解除に関する詳細な合意に向けた30日間の交渉開始を宣言する内容で、ウィットコフ米特使とトランプ大統領の娘婿クシュナー氏がイラン側と直接、および仲介国を通じて交渉しているという。

ペッパーストーンのブラウン氏は「米国とイランの合意の可能性を巡る楽観的な見方が高まったことで、リスク選好姿勢が強まった。これがドル相場の重しになっている」と指摘。「先行きに不確実性が残る可能性もある」としながらも、「情勢が引き続き緊張緩和の方向に向かっていくことがこの日の報道で裏付けられた」と述べた。同時に「市場参加者は好材料に飛びつく傾向がある。まずリスク資産を買い、その後に詳細を確認するという姿勢が広がりつつある」と語った。

この日発表の米経済指標では、米ADPリサーチ・インスティテュートの4月の全米雇用報告で、民間雇用者数が前月比10万9000人増加。ロイターがまとめたエコノミスト予想(9万9000人増加)を上回り、2025年1月以来15カ月ぶりの大幅な伸びとなった。

米労働省は8日に4月の雇用統計を発表。米連邦準備理事会(FRB)の金融政策の手がかりを得ようと注目されている。ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのグローバル市場戦略責任者、エリアス・ハダド氏は「足元の米経済指標を踏まえると、FRBによる利上げ観測は完全には後退していない」とし、「これにより、ドルの下値余地は限定されている」と述べた。

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.3%安の97.993。一時は97.623まで下落し、2月下旬の米国とイスラエルによるイランに対する軍事攻撃開始以来の低水準を付けた。

ユーロ/ドルは0.5%高の1.17535ドル。英ポンド/ドルは0.4%高の1.35955ドル。

ドル/円 NY終値 156.39/156.40

始値 155.75

高値 156.51

安値 155.72

ユーロ/ドル NY終値 1.1747/1.1749

始値 1.1787

高値 1.1791

安値 1.1743

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