Howard Schneider
[ワシントン 6日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は6日、金融政策に対するリスクはインフレ率の上昇へとシフトしており、金利をしばらくの間据え置く可能性があると述べた。ミシシッピ州銀行協会で発言した。
ムサレム総裁は、「インフレ率は目標をかなり上回って推移している」と指摘。関税ショックと原油価格ショックに加え、米連邦準備理事会(FRB)が懸念すべき潜在的なインフレ圧力があるとし、「雇用面とインフレ面の両方にリスクがあるが、リスクはインフレの方に傾きつつある」と述べた。
政策金利について、インフレ率が中銀目標の2%に向けて低下していることが明確になるまで据え置く必要がある可能性がある一方、利下げも利上げもあり得る『想定されるシナリオ』が存在すると述べた。「今は不確実性が非常に大きく、情勢がどう落ち着くか見極めることが重要だ」と語った。
インフレ圧力は関税やイランとの戦争を背景とした原油高の影響だけにとどまらないとも指摘。アルミニウムやヘリウム、ディーゼル燃料などの投入コスト上昇について企業幹部から「いずれも混乱要因になる」との声が出ているとし、こうしたコスト高が雇用を抑制しかねないうえ、物価をさらに押し上げる恐れもあるとの認識を示した。
さらに、消費者と企業の両方から、高騰し続ける物価に苦慮しているとの声が上がっている点を挙げ、FRBが2%のインフレ目標を達成することが、成長と雇用のために最善のことだとの認識を示した。
また、労働市場は昨年の落ち込みから回復したように見える点も指摘。現在の政策は実質的に中立か、やや緩和的であるとし、当面の間、金利据え置きが必要となるシナリオが存在すると述べた。
市場では少なくとも2027年後半までFRBの利下げはないとの見方が出ている。ムサレム総裁は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持たない。