Olivia Le Poidevin

[ジュネーブ 4日 ロイター] - 西アフリカ沖の大西洋を航行していたクルーズ船でハンタウイルスの集団感染の疑いが出ていることを受け、医療関係者が4日、2人の患者を避難させる作業を行った。この客船には主に英国人、米国人、スペイン人の乗客約150人が乗っており、3人が死亡し、3人が重症となっている。

クルーズ船はオランダのオーシャンワイド・エクスペディションズ社が運航する「MVホンディウス」で、3週間前にアルゼンチンから出航。数カ所に立ち寄りながらアフリカ西岸沖の島国カボベルデ沖に来たところで、ハンタウイルス感染が疑われる症例が発生した。

カボベルデ当局は、MVホンディウスの入港を許可しなかった。「国民の公衆衛生を守るため」だとした。

オーシャンワイド・エクスペディションズは「深刻な医療事態に対処している」とし、近隣の港湾都市で乗客を検査し、下船させることが可能かどうか検討していると述べた。

世界保健機関(WHO)は4日、一般市民へのリスクは低いとの見解を示し、冷静な対応を求めた。WHOによると、6人のうち1人は検査でハンタウイルスが確認された。

WHOのハンス・クルーゲ欧州地域事務局長は声明で、「一般市民へのリスクは依然として低い。パニックに陥ったり、渡航制限を設けたりする必要はない」と述べた。「ハンタウイルス感染症はまれだ。通常は感染した齧歯(げっし)類への接触に関連している。重症化するケースもあるが、簡単に人から人へ感染することはない」とした。WHOが今回の集団感染への対応を支援するため緊急措置を講じており、関係各国と連携して医療支援、避難、調査、および公衆衛生リスク評価に取り組んでいると説明した。

オランダ外務省は、同国人乗客2人が死亡したことを確認した。70歳男性と69歳女性の夫婦だという。

WHOはXへの投稿で、感染した乗客の1人が南アフリカで集中治療を受けていると述べた。英スカイニュースは南アフリカ保健省の情報を引用し、その乗客は英国人であると報じた。

ハンタウイルス感染症は通常、感染後1─8週間で倦怠感や発熱などのインフルエンザに似た症状を呈する。

支援を行っているオランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)の広報担当者は、感染源はまだ明らかになっていないと述べた。船内にいたネズミがウイルスを媒介した可能性のほか、南米のどこかに立ち寄った際に、ネズミなどを介して感染し発症した可能性も考えられるとした。

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