食料生産に影響か
現在、多くの農家はなお肥料在庫を保有しており、前年の記録的豊作で世界の穀物在庫も比較的潤沢だ。そのため短期的な供給ショックは限定的にとどまるだろう。しかし国際穀物理事会(IGC)など農業関連機関は、早くも次のシーズンの収穫見通しを引き下げ始めている。
22年には肥料高騰で穀物輸入依存度の高い貧困国で飢餓が深刻化。アナリストは、東アフリカなどが再び影響を受ける恐れが高いと警告している。
影響の先行指標となり得るのがオーストラリアだ。穀倉地帯の西オーストラリア州では、肥料投入量が多く利幅の薄い小麦は転作が進み、作付面積が14%減少する見込み。小麦生産を続ける農家も肥料の使用量を減らしそうだ。BMIのシニア穀物アナリスト、マシュー・ビギン氏は「オーストラリアで肥料の使用量と収穫量の減少が確認されれば、世界全体にとって不吉な前兆になる」と述べた。
世界最大の大豆輸出国ブラジルでも、肥料使用量の削減や、より安価で効果の薄い硫酸アンモニウムへの切り替えが予想されている。
東南アジアでは、供給がもともと逼迫しているパーム油で一段の収穫量低下が懸念されている。クアラルンプールの農業専門家アミット・グハ氏は、若木における栄養不足が長期的な生産力低下につながると危惧している。
欧州では、フランスなどで肥料投入コストの高いトウモロコシからの転換が進み、夏に収穫される小麦は追肥削減によるタンパク含有量の低下も指摘されている。最大のリスクは今秋の作付けで、資金不足に陥った欧州の農家が穀物全体の作付面積を大幅に減らす可能性がある。
商品データ会社エクスパナのブノワ・フェヨー氏は「だからこそ、27年産の収穫について懸念が高まり始めている」と述べた。
