Howard Schneider Michael S. Derby

[ワシントン 1日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が29日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策声明に反対した当局者らが1日、イラン戦争による原油価格ショックの拡大により、将来的に利上げの可能性があるとの見解を相次いで示した。

このFOMCでは、クリーブランド地区連銀のハマック総裁、ダラス地区連銀のローガン総裁、ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁の3人が、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の据え置きを支持しながらも、声明に「緩和バイアス」を残すことに反対した。nL6N41C163nL6N41D016

インフレ率は依然としてFRBの目標である2%を大きく上回っており、上昇傾向にある。戦争の行方に関するリスクが非常に高いため、政策担当者は金利を現状から引き下げられるかどうか確信が持てなくなっている。

クリーブランド地区連銀のハマック総裁は反対票を投じた理由を説明する声明で「2026年に入ってから経済見通しを巡る不確実性が高まっており、金融政策の将来の道筋は一段と不透明になっている」と指摘。今回のFOMC声明で「緩和局面の終了ではなく一時停止を示唆する文言」が維持されたことに言及し、「見通しを踏まえると、このような明確な緩和バイアスはもはや適切ではない」との認識を示した。

ダラス地区連銀のローガン総裁も同様の見解を示した。声明で、「経済見通しは極めて不透明になっている」とし、インフレ率をFRBが目標とする2%に戻すことへの懸念は払しょくされていないと指摘。「見通しを踏まえると、FRBの次の金利変更が利上げになる可能性も、利下げになる可能性も十分にあり得る」とした。

ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は、ホルムズ海峡の長期にわたる閉鎖や中東のエネルギーインフラへのさらなる損害は、FRBが「複数回の」利上げを必要とするほどの大きな価格ショックを引き起こす可能性があるとの見解を示した。「価格ショックの波は現在予想されているよりもはるかに大きくなる可能性がある」とした上で「労働市場のさらなる弱体化のリスクがあっても、利上げ、場合によっては一連の引き上げが正当化される可能性がある」と踏み込んだ。

ホルムズ海峡の閉鎖とインフラへの攻撃により、世界の原油価格は数週間にわたり1バレル=100ドルを大きく上回って推移している。今週は一時126ドルに達した。2カ月前の紛争開始時は70ドル付近だった。

インフレーション・インサイトの社長、オマール・シャリフ氏は、まだ「初期段階」ではあるものの、6月に予定されている次回の会合を前に、5月の消費者物価指数の上昇率が4%を超える可能性があるとの見方を示す。これは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックと2022年のロシアによるウクライナ侵攻後に見られたインフレの急上昇を思い起こさせると指摘した。

シャリフ氏は、今後数週間以内にパウエルFRB議長の後任として総裁に就任すると見込まれるウォーシュ氏について、「トランプ米大統領が期待している利下げを主張するには厳しい環境だ」と述べた。

実際、市場ベースのインフレ指標は上昇し始めている。物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で、期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、10年物が2023年以来の最高水準に達しており、戦争が始まって以来、約25ベーシスポイント(bp)上昇している。

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