制裁緩和は合意に不可欠

トランプ氏による軍事攻撃の脅しが強まった1月、イランは輸入を増やして必要物資の備蓄を6カ月分に増大させた、と国会農業委員会のモハンマド・ジャバド・アスガリ委員長はこのほど国営メディアで発言している。

戦闘開始直後にはイラン中銀が、小口ローンの延滞に対する罰則の適用を猶予する措置を打ち出し、預金者を安心させるために預金引き出し限度額も引き上げた。

それでもイラン社会が感じる経済的な痛みは大きい。企業は物価高で倒産し、供給網は混乱、インターネットが遮断され、失業者は連鎖的に増加している。

イラン指導部にのしかかるのは、新たな大規模デモが発生するのではないかとの不安だ。1月のデモは何千人もの犠牲者を出す強硬手段によってかろうじて抑え込むことができた。

バキル氏は、イランとしては迫り来る経済的危機回避のために米国とのいかなる合意にも制裁緩和を盛り込む必要があると分析する。

「イランは世界各地の銀行に保管されている海外の外貨資産にアクセスしなければならない上に、ある程度の制裁緩和が必要だ。石油販売を拡大すると同時に、正常に貿易ができるようになることも欠かせない」と述べた。

[ロイター]
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