Joey Roulette Echo Wang

[ワシントン 1日 ロイター] - 米宇宙開発企業スペースXが次世代ロケット「スターシップ」の開発に150億ドル以上を投じたことが明らかになった。同社の新規株式公開(IPO)登録届出書をロイターが確認した。

これは世界で最も打ち上げ頻度の高いロケットである同社の「ファルコン9」の開発費約4億ドルを大きく上回る。

届出書によると、スペースXは2026年後半に衛星通信網「スターリンク」の次世代衛星「V3」の打ち上げを開始することを目指している。これはスターシップによる打ち上げになる見込みで、1回の飛行で最大60基の衛星を搭載できるという。

届出書によると、スペースXは25年に宇宙部門の研究開発に30億ドルを投じ、その全額がスターシップ計画に充てられた。前年の18億ドルから急増した。

イーロン・マスク最高‌経営責任者(CEO)は「年間数千回の打ち上げ」を目標に掲げているが、スペースXは届出書で、この目標を達成するにはいくつもの障害が残っていると認めた。

スターシップが直面する最も重大な課題の一つが大規模な地上インフラの整備だ。燃料供給、水システム、大気圏への再突入に繰り返し耐えられる耐熱シールドなどが含まれる。

もう一つの大きな障壁が軌道上での燃料補給だ。スターシップがタンカー型の同機とドッキングして燃料を移送するという、リスクが高く実証されていないプロセスだ。深宇宙ミッションに不可欠で、それ自体に複数回のスターシップ打ち上げが必要になる。

スペースXの元飛行信頼性担当バイスプレジデント、ハンス・ケーニヒスマン氏は「それがおそらく最後の大きな課題だ」と指摘し「それが実現すれば、その後はおおむね成功に向かうと思う」と述べた。

スペースXは届出書に「軌道上での燃料補給は複雑であり、当社はまだ実証も試行もしていない」と記した。また「これらや他の戦略的取り組みを現在想定しているスケジュール通りに、あるいはそもそも開発・商業化・拡大・実施できない可能性がある」とした。

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