Kentaro Okasaka
[東京 1日 ロイター] - 住友商事は2027年3月期通期の連結純利益(国際会計基準)が前年比4.9%増の6300億円になるとの見通しを発表した。IBESがまとめたアナリスト13人の純利益予想の平均値6249億円を上回った。見積もり可能な中東情勢など地政学リスクの影響を反映させた。情勢のさらなる不確実性などに備えバッファー300億円も織り込んだ。
資源価格上昇や生産・販売数量の増加に加え、システム開発を手掛けるSCSKの完全子会社化や米国航空機リース会社の買収戦略投資からの利益貢献を見込む。
中東情勢の影響を織り込んだのは、イラク向けの自動車ビジネスや、石油ガス採掘用のパイプ、アグリビジネスの計230億円で、ホルムズ海峡の事実上の封鎖が6月末まで続くとの前提。さらに影響が長引くケースに備え、バッファーを計上したという。
上野真吾社長は決算会見で、原油や天然ガスの価格上昇で湾岸諸国のパイプ需要は旺盛だとし「揚げ地を変えて陸送、う回するなどして何とか影響を最小化しようと取り組んでいる」と説明。自動車はイラクで落ち込んだ需要を他国でカバーし、化学品も「サプライチェーン(供給網)を変えながら他の調達先を探し、顧客のニーズに応えていく」とした。一方、アルミニウムや硫酸、石炭の価格上昇は追い風になるとした。
6月30日を基準日として1対4の株式分割を実施することも発表。発行済み株式の1.8%に当たる2200万株・800億円を上限とする自社株買いも決議した。取得期間は5月7日から27年3月31日まで。取得する全株を同年4月9日に消却する。
また、05年から参画しているマダガスカルのニッケル事業について、事業に関する全出資持ち分を英企業に譲渡し、26年4─6月期に約700億円の減損損失を計上すると発表した。税務上の処理により法人所得税費用を減額するため、損益影響は軽微となる見通し。
年間配当予想は40円(株式4分割後、前年は150円)とした。
同時に発表した26年3月期通期の連結純利益は同6.8%増の6003億円で、会社予想の5700億円を上回った。