首都キーウで18日に発生した銃乱射事件を受け、ウクライナで自己防衛のための拳銃の所持・携帯に関する規制緩和を求める声が強まっている。一方で、ロシアとの戦争のトラウマが社会に深く残る中での規制緩和に懸念を示し、非難の声を上げる人も増えつつある。
事件では、男がキーウのスーパーに人質を取って立てこもり、7人を射殺した。事件直後から、ソーシャルメディアには身を守るための銃の所持を認めるべきだとの投稿が相次いだ。
「今日テロリストに遭遇した人々が武装していたなら、これほど多くの犠牲者は出なかっただろう。拳銃の合法化こそが、この悲劇的な出来事から導き出される唯一の正しい結論だ」と、ウクライナの第3軍団副司令官のマクシム・ジョリン氏は通信アプリ「テレグラム」で述べた。
ウクライナでは民間人の銃器携帯は認められておらず、武装による自己防衛を規制する包括的な法律も存在しない。
だが2022年のロシアによる侵攻を受け、軍や警察が侵略者を撃退するための武器を市民に配布し、行列ができた。その際、戦争が終われば武器を返還するという条件が課されていた。
<法案は議会に>
22年に第一読会を通過した民間人の銃器所持に関する法案の共同起草者である与党所属のイゴール・フリス議員は、犯罪者が何とか武器を入手できる状態にあるのに対し、ウクライナの民間人には身を守る手段が全くないと主張。議員や内務省、専門家が近い将来、第二読会に向けた法案の準備について協議すると話した。
「ウクライナ国民が家庭での自衛用として短銃身の銃器を所有することを認めるべきだ」とフリス氏は述べ、法案が可決されれば1年後に施行されるべきだと付け加えた。
銃撃事件への警察の不適切な対応を巡る批判を受け、 クリメンコ内相は「国民には武装した自己防衛の権利があるべきだと考える」と述べた。
歴史的に見て、ウクライナ市民の大半は銃規制緩和を支持してこなかったが、戦争以降、その姿勢は変化しているようだ。22年半ばに政府が実施した170万人が対象の大規模世論調査では、回答者の59%が公共の場での拳銃携帯権を支持し、22%が全面的に反対。19%が銃の所持権には賛成だが、公共の場での携帯には反対だと回答した。