1976(昭和51)年生まれの筆者は今年で50歳になる。これまで色々なことがあったが、世代という括りで見るとなかなか大変な世代だったことが分かる。

子ども期は厳しい管理教育にさらされ、陰湿な「いじめ」が社会問題化した、いじめ第一世代と言われる。団塊ジュニアの少し後の世代で同世代人口が多く、受験競争も激しかった。筆者が大学受験をした1995年春の大学入学志願者は87.7万人、大学入学者は56.9万人、差し引き30.8万人(35.1%)が不合格になっていた。最近の世代では、不合格率はほんの数%でほぼ全入になっているのとは大違いだ。

出口はもっと大変だった。筆者は1999年春に大学を卒業したが、当時は平成不況のどん底。就職戦線は厳しく、何社受けても内定を取れず途方にくれる学生の姿がテレビで報じられていた。その実態は、大卒者の就職率という指標ではっきりと可視化できる。大学卒業者全体に占める就職者の割合で、1990年以降の推移を描くと<図1>のようになる。

大卒者の就職率は90年代初頭では9割だったが、平成不況の深刻化とともに急降下し、世紀の変わり目では65%にまで下がった。まさに筆者が大学を出た頃で、当時の学生の苦境が「見える化」されていて痛々しい。

民間が厳しいとなると、公務員や教員を目指す学生が増えるためか、同じ時期の公務員試験の競争率も異常に高かった。<図1>には小学校教員採用試験の競争率の推移も載せたが、2000年度試験(1999年夏実施)の競争率は全国値で12.5倍、高い県では50倍を超えていた。これは筆者の肌感覚に照らしても分かることで、「まさかあの人が……」という優秀な人が試験で落とされ、驚愕したのを覚えている。

その後、就職率は上昇に転じ、現在ではバブル期を超える水準にまでなっている。その一方で教員採用試験の競争率は過去最低となり、募集要項に「教員免許不要」とまで書いて、何とか人材をかき集めようと躍起になっている。時代によってここまで違うものかと、驚かざるを得ない。

大卒者の就職率のグラフにははっきりとした谷があり、この「谷」の時期の卒業生が就職氷河期世代、いわゆる「ロスト・ジェネレーション」ということになる。新卒至上主義の日本では後から挽回を図ることは難しく、不遇なまま留め置かれている人が、他の世代と比較して多い。「運が悪かった」で片付けられる話ではない。

大卒者就職率の推移グラフに残る「谷」
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