同地域にあるこれらのチームは、きっと互いに応援し合うのだろうと思われるかもしれない。たとえるなら、北海道の人が自分たちのチームが出場していないときには四国のチームを応援する、というような具合に。ところが事はもっとずっと複雑だ。

スコットランドのファンはイングランドを「宿敵」と呼び、イングランド「以外の」あらゆるチームを応援する。そしてその敵意はたいていお返しされる。

2002年の日韓W杯のときに静岡で見た光景が思い出されるのだが、イングランドのファンは、国にとどまっているスコットランド人を野次る歌を歌っていた(その意味は、「ハハ、俺たちはW杯準々決勝でブラジルと戦っているのに、お前たちは出場すらできなかった」)。

僕は例外的なタイプで、イングランド人でありながらスコットランドのサッカーも大好きだ。僕が初めて見たW杯は1978年で、そのときイングランドは出場していなかった。

「スコットランドを応援してはダメ」と誰からも言われなかったので、僕は彼らを応援したし、今でも対イングランドか対アイルランド共和国戦のとき以外は、彼らの健闘を願っている。

もう一つの要因として、僕たちイギリス人の多くが、混在のルーツを持っていることが挙げられる。だからたとえば祖父の出身地などによって、第二のひいきチームがあったりする。

イングランド人は北アイルランドに対しては強い感情を持っているわけではないが、(人口200万に満たない地域の)「弱小チーム」として応援する傾向がある。でもウェールズ(人口約300万)に対してはあまり好意的ではない。というのも、2016年の欧州選手権で、アイスランドがイングランドを破った際、ウェールズ代表の(ファンではなくて)選手たちが歓喜している映像が映し出されたせいだ(イングランドにとっては最大級の屈辱だった)。

イギリス4カ国が別チームな理由は
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