William Schomberg

[ワシントン 16日 ロイター] - リーブス英財務相は16日、防衛費増額のための増税や債務拡大を否定し、一部の公共支出の削減で財源を捻出する方針を示した。

リーブス氏は、国際通貨基金(IMF)・世界銀行の春季会合が開催されている米首都ワシントンで記者団に「われわれは(防衛費増額に向けて)さまざまな選択肢を検討しているが、私が手がけた過去2回の予算で税金を大幅に増やしており、そうした措置はもう講じたくない」と語った。

また英政府の債務利払い負担が既に大き過ぎる点を挙げて、借金を積み重ねる考えもないことを明らかにした。

ロシアのウクライナ侵攻や中東の紛争を受け、英国にとっても防衛費増額は優先課題の一つになっており、スターマー首相は冷戦期以降で最大規模の持続的な防衛費拡大を約束しているが、財政逼迫のためにまだ国防投資10カ年計画を正式に公表していない。

リーブス氏は、難しい選択を強いられるという心配はしていないと強調したものの、増税や借り入れなしに追加の防衛費を手当てするには、金額が大きい福祉予算などの圧縮が必要になりそうだ。

中東の紛争で、エネルギー価格高騰に対する英経済の脆弱性も露呈した。

この点に関してリーブス氏は、電力料金とガス価格を切り離して、国内の電力料金押し下げにつながる可能性のある計画の詳細を近く発表する意向を表明した。またエネルギー各社との間で北海における「タイバック・プロジェクト」の詰めに向けて「かなり集中的な」協議を続けていると述べた。

タイバック・プロジェクトは、新しい油田・ガス田を既存の生産施設に接続して稼働させる取り組みで、開発費用・時間を抑制できるメリットがあるほか、与党労働党が2024年の選挙で掲げた「新規油田・ガス田の採掘許可は出さない」という公約にも抵触しない。

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