[ドバイ 16日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は16日、イラン戦争による中東諸国への影響について、エネルギー供給の混乱が湾岸の石油・ガス輸出国の経済に大きな打撃を及ぼす一方、エジプトやヨルダンなど石油輸入国はコモディティー(商品)価格の高騰や、湾岸諸国に居住する労働者からの送金収入の減少などに直面するとの見通しを示した。
IMFが発表した最新の地域経済見通しによると、中東・北アフリカ地域の今年の実質国内総生産(GDP)伸び率は1.1%と、紛争前の予測から2.8%ポイント下方修正された。
IMFの中東・中央アジア部長ジハド・アズール氏はロイターに対し「単に石油・ガスの問題にとどまらない」とし、肥料や化学製品の輸出など、この地域で生産され、同地域が戦略的地位を占める全ての製品に影響が及ぶと述べた。
また「特に航空や物流など、湾岸協力会議(GCC)加盟国が世界的に戦略的な地位を占める非石油部門にも影響を及ぼしている」と語った。
IMFによると、6カ国で構成するGCCの今年の成長率は2%と、昨年10月の予測(4.3%)を大幅に下回る見通しで、各国間で大きなばらつきがある。来年は4.8%に急加速すると予想されている。
アズール氏は「原油生産が回復し、ホルムズ海峡が完全に再開されれば、各国は急速に生産を拡大することになる。原油価格は2026年以前の水準に比べて高止まりすると予想されるため、各国は石油分野で、現在の危機によって失っている足場の一部を取り戻すことができるだろう」と述べた。
サウジアラビアは輸出の一部をホルムズ海峡に代わるルートに迂回させることができるほか、非石油工業生産が比較的堅調なことから、湾岸諸国の中で影響が比較的軽微な国の一つになる見通しだ。
IMFは同国の今年の成長率を3.1%と見込み、10月時点の予測から0.9%ポイント下方修正した。