Takahiko Wada
[ワシントン 16日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は16日(日本時間17日)、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後に記者会見し、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格上昇について、物価の上振れリスクと景気の下振れリスクが両方あると述べた。政策対応は非常に難しいが、「ショックの持続性やその他の経済環境を踏まえた上で、最終的には2%物価目標を実現する観点から最も適切な対応を選択していく」と話した。
中東情勢の帰すうは「非常に不透明」との認識を示した上で、実質金利は中期ゾーンまで非常に低く、金融環境が緩和的な点も考慮しつつ政策判断していくと説明した。
植田総裁は、原油価格上昇が交易条件の悪化を通じて景気に下押し圧力となる一方で、政府の経済対策や企業収益が高水準なことが「ある種のクッションとして働く」と指摘。双方を踏まえ、多少経済が減速するなら物価には下押し圧力となるが、原油価格上昇はインフレ期待を通じて基調物価に上昇圧力として働くと述べた。これらを総合して考えたときにどうなるか、各会合までのデータや情報で判断し、「見通しが実現していく確度やリスクを点検しながら、政策判断していく」とした。
市場では4月の金融政策決定会合での利上げ観測が後退しているが、植田総裁はコメントを控えた。
片山さつき財務相は前日、主要7カ国(G7)財務相・中銀総裁会議で金融政策について「様子見のフロア(段階)」との声が多く出たことを明らかにしていたが、植田総裁は「日銀として、その点に関してG7では発言していない」と述べた。
片山財務相はこの日のG20財務相・中銀総裁会議で「高い緊張感を持って市場動向を注視している」と発言したことを明らかにした。
片山財務相はG20で、中東情勢を受けて原油金融市場では引き続き大きな変動が見られており、特に原油先物市場の変動が為替市場にも波及し、国民生活や経済にも影響を与えるとの認識も示した。