Takahiko Wada Makiko Yamazaki
[東京 16日 ロイター] - 金融庁の八幡道典審議官(資産運用・市場担当)はロイターのインタビューで、夏までに策定を目指す政府の新たな金融戦略では、国内のプライベートクレジット(ノンバンク融資)育成が「柱の1つになると考えている」と語った。M&A(企業の合併・買収)など、企業の資金需要の高まりに対応するため、資金の供給主体の多様化が必要で、プライベートクレジットへの懸念が出ている海外とは「かなり状況が違っている」と強調した。
八幡審議官は「M&Aや事業承継に加え、高市政権が成長投資を掲げたことで、今後、より一層旺盛な資金需要が出てくるものと考えている」とし、LBO(レバレッジド・バイアウト)ローン市場でのプライベートクレジット活用の必要性に言及した。「銀行との役割分担で、LBOローンの中でもメザニンローンでの活用が期待される」と話した。メザニンローンは、シニアローンより返済順位は低いが金利が高いのが特徴。
足元ではメガバンクが大手生保とプライベートクレジット・ファンドを設立する動きが出てきているが「いい動きの1つ」と評価した。
欧米でプライベートクレジット・ファンドへの懸念が高まったことを受け、金融庁は日本の大手金融機関を対象に実態把握に乗り出した。八幡審議官は、日本の金融機関のエクスポージャーは「限定的」とした上で、金融システムの安定や投資家保護、保険セクターの健全性確保の観点から国際的な議論が進展しており「金融庁としても積極的に貢献していく」と述べた。
日本のプライベートクレジット市場は非常に小さく「まだ育成段階」とし、「海外とはフェーズが違う」と述べた。海外で起きているプライベートクレジットを巡る状況もしっかり念頭に置きながら、ファンドに適切なガバナンスを求め、当局もモニタリングを実施していくことで「健全なプライベートクレジット・ファンドを育成していくことが大事だ」と語った。「適切なモニタリングは育成の大前提」とも述べた。
インタビューは15日に実施しました。