Elizabeth Howcroft
[パリ 16日 ロイター] - 欧州銀行監督機構(EBA)のミショー新議長は、欧州の金融機関について、現在の金融・地政学的ショックを吸収するのに十分な耐性があるものの、人工知能(AI)に起因するサイバーセキュリティーリスクなど将来の不確実性に備える必要があるという認識を示した。
16日にEBAのトップに就任したミショー氏は前日の記者会見で、欧州の銀行は地政学的リスクに対応できる「十分な耐性」を有しており、高水準の資本・流動性バッファーが備わっていると述べた。同氏の発言は16日まで報道規制がかけられていた。
米国とイスラエルによるイランへの攻撃により金融市場が緊張する中、銀行が大きなショックを吸収する能力が注目されている。
ミショー氏はまた、「今後起こりうる事態はこれまでと大きく異なる可能性があり、それに備える必要がある」と語った。
サイバーセキュリティーは監督上の懸念が高まっている分野だ。銀行規制当局は、米アンソロピックの新たなAIモデル「ミトス」への対応を迫られている。サイバーセキュリティーの専門家は、同モデルが複雑なサイバー攻撃を生成する能力を持ち、銀行業界に脅威をもたらしかねないと指摘する。米当局は先週、銀行の幹部らと緊急会合を開いた。欧州中央銀行(ECB)もこのリスクへの備えについて銀行に確認する予定だ。
アンソロピックの新モデルについて問われたミショー氏は、新技術がもたらすリスクと機会は監督当局の優先課題の一つだと指摘。理事会を開くたびに、リスクについて非常に徹底した議論を行っていると述べた。
また、プライベートクレジット(ノンバンク融資)は欧州の銀行にとってシステミックな問題ではないという見解を示した。