ILLUSTRATION BY GREGORI SAAVEDRA
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エピック・フューリー作戦が示した最も重要な点は、アメリカの空軍力が無敵だということではない(明らかに無敵などではない)。そうではなく、アメリカが依然として「システム戦」の戦い方を維持しており、トランプ政権がそれを選択できるという点だ。初日には陸海から100機以上の航空機が出撃し、サイバーおよび宇宙領域での作戦がイランの通信とセンサーを弱体化させる一方で、航空戦力は指揮統制センター、弾道ミサイル基地、海軍戦力、情報インフラを攻撃した。B2スピリット戦略爆撃機は米本土から往復37時間かけて飛び、貫通弾を投下した。

ダン・ケイン統合参謀本部議長は、3月10日までにイランの弾道ミサイル攻撃が初日から90%減少し、一方向型ドローン攻撃が83%減ったと述べた。戦争の初期段階で50隻以上のイラン艦艇が攻撃を受けたとされる。

従来の想定では、アメリカは危機の初期段階で戦力を集結させ、護衛を強化し、空母や爆撃機を移動させ、中国側が明確なレッドラインを越えるまで中国本土への攻撃は控えるとされた。だが、イラン戦争が別の可能性を示した。政権が本格的な戦争に踏み切ると決めた途端、米軍は相手の「脳」「神経系」「四肢」を攻撃したのだ。

戦略国際問題研究所(CSIS)の推定で、米軍は戦闘の最初の6日間にJASSM空対地ミサイル786発とトマホーク319発を発射した。いずれも数年分の生産量だ。

高強度の作戦ではミサイル在庫は急速に消耗し、その再補充は今も大きな産業的課題だ。しかし重要なのは、アメリカが一部の分析が想定しない規模で、初期に攻撃を集中させる能力を持っているという点だ。中国はこの可能性を織り込まなくてはならない。

ベネズエラやイランで明らかになった中国の痴態
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