Leika Kihara

[ワシントン 15日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)の日本担当ミッションチーフを務めるラフル・アナンド氏は15日、日銀は中東紛争によるインフレ圧力を一時的なものとして受け止めることができるとの見方を示した。広範な物価への二次的影響は限定的であるとした。

アナンド氏は、ワシントンで開催中の国際通貨基金(IMF)・世銀春季会合に合わせて行われたロイターとのインタビューで、戦争による燃料費高騰は総合インフレを押し上げるものの、こうした物価上昇圧力はインフレ期待を揺るがすものではないため、日銀は段階的な利上げ計画を維持できると指摘。「物価上昇がコアインフレや賃金に波及する可能性は低いため、二次的な影響は他国と比べてより緩やかなものになると考えている」と述べた。

その上で「総合インフレが一時的に急上昇したとしても、日銀はそれをやり過ごし、基本シナリオが維持された場合と同じペースで緩和策の撤回を再開できる」とし、「他の多くの中央銀行と異なり、日銀にはこのショックを一時的なものとして受け止める余地がある」と語った。

一方、戦争の激しさや期間を巡る不確実性が経済成長とインフレの見通しにリスクをもたらすため、日銀は政策設定においてデータに基づき柔軟に対応する必要があるとの見方も示した。

アナンド氏は、IMFが日本のインフレ率について2027年末までに日銀の目標である2%に収束するとの見方を維持していると述べた。

IMFは日銀があと3回利上げを実施し、政策金利は現行の0.75%から来年の半ばか末までに1.5%に上昇すると予想している。

日本の経済成長率については25年の1.2%から、26年に0.7%、27年には0.6%に鈍化すると予想している。

アナンド氏は、エネルギーコスト高騰の打撃から輸入依存度の高い日本経済がリセッション(景気後退)に陥る可能性があるかとの問いに「日本は非常に底堅い」と述べ、昨年の米国の高関税による衝撃に対してもそうだったと指摘した。

企業が毎年の賃金交渉で提示する堅調な賃上げにより実質賃金もプラスに転じ、上昇を続けるとし、国内需要の下支えになると述べた。

「基本シナリオでは、成長率の低下は緩やかで、インフレの上昇も小幅にとどまると予想している。ただし、不確実性は依然として高い」と語った。

また、円安が経済に及ぼすメリットとデメリットについて問われたアナンド氏は、25年には円安によるインフレへの大幅な波及は見られなかったとした上で、円安は米関税措置による影響の一部を吸収するのに寄与したとの見方を示唆。その上で「正しい為替レートの水準など誰にも言えない。自由変動為替レートを採用している開放経済なのだから、それは市場が決めるものだ」と述べた。

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