Balazs Koranyi

[ワシントン 15日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)政策担当者らは、エネルギー価格高騰によるインフレショックが広範囲に波及・定着しつつあるとの確かな証拠はまだ見られないため、今月の理事会での利上げに慎重な姿勢を示している。関係筋4人がロイターに明らかにした。

同筋は、インフレの二次的な波及効果は依然として起こり得るものであり、金融引き締めは依然として選択肢に残っているものの、政策当局者が実行に移すには具体的な証拠が必要だと述べた。

匿名を条件に語った関係筋の1人は「長期的なインフレ期待は高まっておらず、国内のインフレ率は鈍化している」とし、「ガソリン価格の急騰は可処分所得を圧迫しており、これが実際には企業の価格引き上げ能力を制限している」と指摘。その上で「4月30日(理事会)で何をするかはまだ言えないが、現時点では利上げを裏付ける証拠は何もない」と述べた。

イラン戦争が早期に解決したとしても、エネルギー市場の正常化には何カ月もかかるため、企業がエネルギーコストの長期的な高止まりを見越して価格変更に動き始めるリスクが高まると警告。ロシアのウクライナ侵攻に伴いわずか4年前に高インフレを経験した「記憶効果」も企業の価格調整を早める要因となり、インフレスパイラルのリスクを高めるとの見方を示した。

また、別の関係筋は「遅かれ早かれ、信認の問題が生じるだろう」とし、「インフレ上昇が続く中、ECBが何もせず傍観しているのを世界が目にすれば、われわれの取り組みを疑い始める可能性がある。信認への懸念が十分に大きくなれば、行動を余儀なくされる可能性がある」と述べた。

中東戦争に起因するエネルギー価格の高騰を背景に、3月のユーロ圏のインフレ率は前年同月比で2.5%上昇と、前月の1.9%上昇から伸びが加速した。

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