日本はオイルショックの経験から約240日分の備蓄を確保しているものの、火力発電に用いる液化天然ガス(LNG)は大量備蓄ができないことや、ナフサなど石油関連製品の一部は、原油からの精製ではなく輸入しているケースがあり、全体として原油が不足していなくても、一部の重要物資について供給が滞るリスクが生じている。

4月7日、アメリカとイランは2週間の停戦について合意したものの、最終的な落としどころは見えておらず状況は流動的だ。多くの関係者がホルムズ海峡封鎖が長引くと予想しており、日本でも原油の供給途絶リスクが現実のものとなりつつある。

世界で買い負ける日本

日本ほどの備蓄を持たない東南アジア各国は、既にガソリンスタンドの使用制限や節電など、エネルギー消費を抑制する施策にシフトしているほか、タイやフィリピンなどは、自国のタンカーがホルムズ海峡を通過できるようイランと外交交渉を行った。

日本は依然としてガソリンに補助金を出す支援策を実施しているが、供給制限が懸念されるという現実を考えた場合、価格を安くして消費を促す政策はもはや禁じ手といってよい。経済全体のエネルギー消費を抑制し、それに伴って生活や事業に困難が生じる国民や企業に対しては給付を実施するなど、ある種の非常事態を前提とした支援策に切り替えるタイミングがやってきている。

国家のエゴむき出しの争奪戦が勃発
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