Dietrich Knauth
[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米国際貿易裁判所は10日、トランプ大統領が大半の輸入品に課した10%関税の合法性に疑義を呈し、巨額の貿易赤字は広範な関税を課す十分な根拠にならない可能性があるとの見方を示した。
世界一律の10%関税は2月24日に発効。連邦最高裁が従来の関税措置を無効としたことを受け、政権が別の法律に基づき新たに導入したもので、主に民主党が主導する24州や小規模事業者2社が違法だとして提訴した。
政権が関税の根拠としたのは1974年通商法第122条で、「米国が深刻な国際収支の赤字を抱えている場合」またはドルの急激な下落を防ぐために、輸入品に対して最大15%の関税を最長150日間課すことを認めている。
各州や企業は、通商法の関税権限は短期的な金融危機に対処するためのもので、通常の貿易赤字は「国際収支の赤字」という経済学的定義には当てはまらないと主張している。
トランプ氏は2期目で関税を外交政策の中心とし、議会の判断なしに関税を課す広範な権限を主張。トランプ氏以前に第122条などを使って関税を課した大統領はいない。
約3時間の口頭弁論で、判事3人は国際収支赤字をどう定義すべきかを検討した。判事は、輸入が輸出を上回る貿易赤字だけで第122条を発動する根拠になるとする政権の主張に疑問を呈した。
1人の判事は「1974年を2026年にどう当てはめるかは定かではないが、『貿易赤字』と『国際収支赤字』は同じものではなかったことは分かっている」と述べた。
これに対し、司法省の弁護士は、貿易赤字はより広い「国際収支」の赤字に寄与しており、「大きく深刻な」国際的な支払い問題を生み出していると反論した。