[北京 10日 ロイター] - 中国国家統計局が10日発表した3月の生産者物価指数(PPI)は前年比0.5%上昇し、3年半ぶりにプラスに転じた。中東紛争に伴い輸入コストの上昇圧力が強まっていることを⁠示唆した。

エコノミストらは、需要の増加ではなくコスト上昇によって引き起こされるインフレは当局を難しい立場に追い込み、企業の利益率を圧迫して経済成長を抑制し、景気刺激策の余地を狭める可能性があると警告している。

PPIは「内巻」と呼ばれる激⁠しい値下げ競争などを背景に、前年比での下落が41カ月間続いていた。ロイターがまとめたエコノミスト予想は0.4%上昇だった。

エ⁠ネルギー集約型産業で大幅に上昇し、非鉄金属鉱業・選鉱部門は36.4%、非鉄金属精錬・圧延加工部門は22.4%それぞれ上昇した。原油価格の上昇が工場出荷価格を押し上げた。

ANZの中国担当シニアストラテジスト、ケイ兆鵬氏は「輸入インフレは経済にとって好ましくない」とし、「デフレリスクを排除するには引き続き『反内巻』の取⁠り組みを推進し、国内需要を喚起する必要がある」と述べた。

中国は2月下旬以降、国内の燃料価格上昇を容認しているものの、⁠国際原油⁠価格の高騰による影響を緩和するため、値上げ幅に上限を設けている。

ピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミスト、張智威氏は「反内巻の取り組みによる需要増に比べ、中東紛争による供給減少がどの程度影響したのかは明らかではない」とし、「中東情勢は依然として極めて不確実で、中国を含む多くの国のイン⁠フレ見通しも同様だ」と述べた。

一方、消費者物価指数(CPI)は前年比で1%上昇したが、2月の1.3%上昇からは鈍化した。エコノミスト予想では1.2%上昇が見込まれていた。前月比では0.7%下落。予想は0.2%下落、2月は1%の上昇だった。

エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのシニアエコノミスト、徐天辰氏は「これまでに3月のインフレ指標を発表したアジア諸国の中で、前月比でCPIが下落したのは中国だけだ」と指摘。「コストプッシュ型インフレの局面では、企業は通常、価格上昇分を最終消費者に完全に転嫁⁠できない。コスト上昇の一部を企業が吸収することになるため、利益が圧迫される」と語った。

食料品と燃料を除いたコアCPIは前年比1.1%上昇し、2月の1.8%上昇から鈍化した。

MUFG(中国)のチーフ金融市場アナリスト、マルコ・サン氏は「当社のフレームワークでは、政策スタンスの大幅な転換を正当化するようなインフレシグナルが出るには、国内価格がもっと大幅に上昇する必要がある」と述べた。

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