Andrea Shalal
[ワシントン 9日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は9日、中東での戦争の波及効果により、IMFの金融支援に対する短期的な需要が200億─500億ドルに増加する見込みだと述べた。
来週開催されるIMF・世界銀行の春季会合に先立つ演説原稿で、今回の戦争によりIMFは世界経済成長率予測を引き下げることになったと明らかにした。
「最良のシナリオでも、以前の状態にきれいに戻ることはないだろう」と指摘。ホルムズ海峡を通過する船舶の将来などがどうなるかは実際のところ分からないとした上で、「分かっているのは、たとえ新たな平和が永続的なものであったとしても、成長は鈍化するだろうということだ」と述べた。
石油精製所の操業停止や精製品の不足など、輸送、観光、貿易に混乱をもたらす波及効果が当面見込まれるという。
ゲオルギエワ氏によると、IMFは来週発表する世界経済見通しで、比較的迅速な正常化シナリオから、原油・ガス価格が長期にわたり高止まりするシナリオまで、幅広いシナリオを提示する予定。最も楽観的なシナリオでさえ、インフラの損傷、供給の混乱、信頼感の低下などにより、成長率の下方修正を伴っているという。
1月時点で、IMFは世界経済成長率を2026年が3.3%、27年が3.2%と予測していた。
同氏は、IMFには十分なリソースがあり、既存のプログラムを通じて国際収支支援を拡大できると述べ、さらに多くの国が支援を要請することが見込まれると語った。支援を求めている具体的な国名は挙げなかった。
ボストン大学の調査によると、24年5月から25年3月までの間に、IMFは360億ドルを超える新規融資を承認した。
ゲオルギエワ氏は、エネルギー供給ショックがすでに短期的なインフレ期待を高めていると警告したが、長期的な期待は変化していないとも述べた。
また、需要の調整は避けられないとしつつ、輸出規制、価格統制といった措置を採用しないよう各国に警告した。