[ソウル 10日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は10日、政策金利を予想通り2.50%に据え置いた。イラン情勢の緊迫がインフレを加速させ、経済成長を圧迫する恐れがあるため、今後の見通しは極めて不透明だと警告した。
ロイター調査ではエコノミスト31人全員が金利据え置きを予想していた。
李昌ヨン総裁は退任前の最後の記者会見で「供給側のショックによる影響を見ると、アジア、特に韓国、日本、台湾への影響ははるかに大きく、こうしたショックはさらに拡大する可能性がある」と説明。「燃料価格の上限設定により物価リスクに対応しているが、これは恒久的な措置ではないため、(中東)紛争が長期化すればインフレリスクは高まるだろう」と述べた。
中銀は声明で「今年の成長率は、2月に予測した2.0%を下回ると予想される」とし、今後の見通しはイラン情勢、半導体サイクル、その他の要因によって左右される可能性が高いと指摘した。また、原油価格の上昇とウォン安により生活必需品の輸入コストが実質的に上昇したため、総合インフレ率は2月の予測値である2.2%を「大幅に上回る」と見込んだ。
金融政策に敏感な3年物国債先物は、会見中に序盤の上昇分を消し、一時0.14ポイント安の104.24まで下落した。
エコノミストは、エネルギー価格の高騰とウォン安によるインフレの再燃により政策支援の余地が狭まる一方、当局が今後の金融引き締めを正当化するほど国内需要が強いかどうかを見極めるため、今年の政策金利は据え置かれると予想している。
財政面では、李在明大統領は、燃料費の高騰による家計や企業の負担を軽減するため、26兆2000億ウォン(約177億2000万ドル)の補正予算案を打ち出している。
より長期的な見通しを示した30人のエコノミストのうち、26人は年内は金利が変わらないと予測し、3人は年末までに2.75%への利上げ、1人は3.00%への利上げを予想した。
韓国投資証券の債券アナリスト、アン・ジェギュン氏は政策声明について「中銀がイラン情勢を経済成長よりもインフレに対するより大きなリスクと見なしていることを意味すると解釈する向きもあった」とし「これは総裁の記者会見でも裏付けられたが、全体としては中立的な内容だった」と述べた。同氏は、第4・四半期に政策金利が25ベーシスポイント(bp)引き上げられると見ている。
李総裁の任期は今月20日に満了。後任にはオックスフォード大学出身のエコノミスト、申鉉松氏が指名されている。