Andrea Shalal
[ワシントン 6日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は6日、中東での戦争はインフレ上昇と世界経済の成長鈍化につながるとの見方を示した。最新の「世界経済見通し」を来週発表するのを前に、ロイターに述べた。
「現状ではあらゆる道が物価上昇と成長鈍化につながっている」とし、「もしこの戦争がなければ、成長見通しをわずかに上方修正していた」と述べた。IMFは、戦争がなければ26年の世界経済成長率予測の3.3%、27年の3.2%を小幅に上方修正する予定だった。
ゲオルギエワ氏は、たとえ紛争が速やかに終結し、比較的速やかに経済が回復したとしても、成長見通しは「比較的小幅に」下方修正される一方、インフレ見通しは上方修正されると指摘。戦争が長期化すれば、インフレと成長への影響はより大きくなるとの見方を示した。
また、戦争によって世界の石油供給量が13%減少し、その影響は石油・ガスだけでなく、ヘリウムや肥料などの関連サプライチェーンに波及していると述べた。
エネルギー備蓄を持たない、低所得で脆弱な国が最も大きな打撃を受ける見込みとし、こうした国の多くは戦争による物価上昇を乗り切るための財政的余裕がほとんどないため、社会不安の可能性も高まると懸念を示した。
既に一部の国がIMFに資金援助を要請しているとしたが、具体的な国名は明らかにしなかった。ゲオルギエワ氏は、IMFは各国のニーズに対応するため既存の融資プログラムの一部を拡充できると述べた。
同氏はまた、地政学的緊張、技術の進歩、気候変動、人口動態の変化などを挙げ、「われわれは不確実性の高い世界にいる」と指摘。「このショックから立ち直った後も、次のショックに目を光らせておく必要がある」と警鐘を鳴らした。
ワシントンで来週開催されるIMFと世界銀行の春季会合では、中東情勢が議論の中心になる見込みだ。IMFは14日に発表する世界経済見通しで、さまざまなシナリオを示すとみられている。