Greg Bensinger

[サンフランシスコ 20日 ロイター] - 米アマゾン・ドット・コムが再びスマートフォンの開発に取り組んでいることが分かった。創業者ジェフ・ベゾフ氏の肝いりで投入した同社⁠初の「Fire Phone(ファイアフォン)」がわずか1年余りで退場した雪辱を果たそうとしている。

事情に詳しい複数の関係者によると、新たなスマホ開発計画は「トランスフォーマー」と呼ばれ、デバイス・サービス部門の「ゼロワン(ZeroOne) 」というチームが主導。このチームは、「画⁠期的な」消費者向け製品の開発を使命として1年前に設立され、Xbox事業などに携わった元マイクロソフト幹部J・アラード氏が率いる。

新ス⁠マホは、音声アシスタント「アレクサ」と連携し、日常的にアマゾンとユーザーをつなぐ「モバイルパーソナライゼーション端末」を想定。アマゾンの電子商取引サイトでの購入、プライムビデオの視聴、プライムミュージックの再生、アマゾンが提携する食品宅配グラブハブへの注文などをこれまで以上に簡単に利用できる⁠ようにする機能が搭載される見通しという。

重点課題は人工知能(AI)機能の組み込みで、実現すれば従来のアプリストアが不要に⁠なる可能⁠性もある。アレクサは主要機能になる見通しだが、必ずしも主要OSになるとは限らないという。

端末は、従来型のスマホのほか、機能を絞った「ダムフォン(フィーチャーフォン)」も検討中。ダムフォンは、既存端末に加えて持つ「2台目端末」として売り込める可能性がある。調査会社カウンターポイント・リサーチによると、ダムフォンを⁠含むフィーチャーフォンは2025年の世界販売の15%を占めた。

初号機のファイアフォンは、アップルやサムスン電子に対抗する商品として2014年に発売された。カメラで商品を認識してアマゾンのサイトに誘導するショッピング機能などが搭載されていた。しかし、独自OS「ファイアOS」を採用したため、アンドロイドやiOSの人気アプリに非対応だったほか、複数カメラを使った3D表示システムがバッテリーを大量消費し、端末が過熱する問題もあった。SIMフリー版で649ドル、アマゾンプライムの1年間⁠無料特典を付けたが販売は低迷。SIMフリー版を159ドルに値下げしたが、状況は改善せず、1年2カ月後に販売を中止し在庫の評価損として1億7000万ドル計上した。

現在進行中の新端末について、想定価格、売上高の見込み、プロジェクトへの投資規模などは確認できていない。スケジュールも不明で、関係者は戦略変更や財務上の懸念から中止される可能性もあると述べた。アマゾンの広報担当者はコメントを拒否した。

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