もちろん、こうした動きがあるからといって米中関係が断絶するリスクが消えるわけではない。台湾での深刻な危機や大規模な金融制裁が始まれば、企業が二者択一を迫られる恐れもある。資本リアリズムは安定を約束するものではなく、壊滅的な衝撃に見舞われない限り統合を維持しようというインセンティブにすぎない。
資本リアリズムは既に世界経済の構造を変容させつつある。今や問題は、システムが分断されるか、維持されるかではない。資本の新たな流れによって構築されたシステムを政策立案者が認識するのか、それとももはや存在しないシステムについて議論し続けるのか、だ。

ロビン・フー
ROBIN HU
米シンクタンク、ミルケン研究所のアジア名誉会長。シンガポール、中国、台湾などの企業で勤務経験があり、香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」グループCEOなど幹部職を歴任。
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