東南アジア全域で見ると、この傾向は一段と明らかだ。地政学的緊張にもかかわらず、ASEAN諸国の貿易と投資は拡大し続けており、中国と西側双方の生産ネットワークへの統合が進んでいる。これは既存の経済システムが崩壊する予兆ではなく、むしろ経済関係が多大なコストを伴いながらも急速に再編されている兆しといえる。

この見方が正しければ、今後もいくつかのパターンが継続するはずだ。まず、制限が拡大しても、米中貿易の規模は維持され、第三国を経由する流れが加速する。投資先は、両方のシステムにまたがって活動できる国に集中し続ける。そして、企業が政策面の圧力に適応するにつれて、サプライチェーンの地理的な分散が進むだろう。

戦略的規制の直撃を受けている半導体分野を例に取ろう。TSMC(台湾積体電路製造)はアメリカ、日本、欧州で製造能力の拡大に巨額を投資しているが、それぞれの新工場が異なる市場に対応し、異なる規制の下で運営されている。資本リアリズムの考え方では、生産を複数の法域に分散させる必要がある。単一の法域に依存すると、供給アクセスの中断が懸念されるためだ。

サプライチェーンだけではない。中国の対米投資は依然として低調だが、東南アジア向けの対外投資は拡大している。資本を引き揚げているのではなく、米中双方と実務上の関係を維持している国を経由する形にルートを変更しているのだ。

目下の問題は?